インフルエンサーマーケティング

PR投稿の二次利用(広告・店頭・ホームページ)の許諾の取り方と契約|範囲・期間・対価・NG例

インフルエンサーのPR投稿を店舗の広告・店頭POP・ホームページに使うには、投稿とは別に本人の許諾が必要です。二次利用の範囲、許諾の取り方と文例、対価の考え方、広告配信時の表記、契約の項目、NG例を解説。

西執筆:西村亜海公開 5分で読めます

インフルエンサーに来店してもらい、良い投稿ができた。「この写真をホームページに載せたい」「店頭のPOPに使いたい」「広告として配信したい」。ここで許諾を取らずに使うと、著作権と肖像権の問題になり、関係も壊れます。投稿してもらうことと、その投稿を店舗が使うことは、別の許諾が必要です。

この記事では、二次利用の範囲、許諾の取り方と文例、対価の考え方、広告配信時の表記、契約に入れる項目、NG例をまとめました。依頼時の取り決め全般は契約のチェックリスト参照してください。この記事は一般的な情報で、個別の契約は専門家に確認してください。

結論:二次利用は「媒体・期間・加工の可否・クレジット・対価」を依頼時に文字で取り決め、使うたびに投稿者に一報する

投稿の写真・動画・文章の著作権は投稿者にあり、写っている人の肖像権もあります。店舗が使うには、範囲を決めた許諾が必要です。依頼時に取り決めておけば、あとから交渉する手間も、断られるリスクも減ります。

二次利用の範囲を決める項目

項目内容
媒体どこで使うか自社SNS(リポスト)、ホームページ、店頭POP・メニュー、チラシ、広告配信(パートナーシップ広告など)、プレスリリース
期間いつまで使うか投稿から6か月、1年、無期限
加工トリミング・文字入れ・色補正の可否「トリミングと店名の文字入れは可、顔の加工は不可」
クレジット投稿者の名前・アカウントの表記「@〇〇 の投稿より」を必ず表記
対価二次利用の追加謝礼の有無PRの謝礼に含む、媒体ごとに追加、広告配信は別途
取り消し投稿者が許諾を取り消せる条件「本人からの申し出があれば、以降の新規使用を停止」

許諾の取り方(文例)

依頼時に取り決める場合

「ご投稿いただいた写真・動画は、当店のInstagram(リポスト)、ホームページ、店頭のPOPに、投稿日から1年間、@〇〇 のクレジットを付けて使用させていただきたく、ご了承いただけますでしょうか。トリミングと店名の文字入れ以外の加工はいたしません。広告としての配信を行う場合は、別途ご相談のうえ追加の謝礼をお支払いします。」

投稿後に追加でお願いする場合

「先日はご来店とご投稿をありがとうございました。投稿の〇枚目の写真を、当店のホームページの「お客様の声」欄に、@〇〇 のクレジット付きで掲載させていただけないでしょうか。期間は1年、加工はトリミングのみです。ご都合が悪ければ遠慮なくお知らせください。」

返答はDMやメールで文字として残します。口頭の了承だけにしないでください。

対価の考え方

  • PRの謝礼に含める:依頼時に「自社SNSとホームページでの使用を含む」と明記し、謝礼に織り込む。最も一般的
  • 媒体ごとに追加:店頭POP・チラシ・広告配信は、露出が大きいため追加の謝礼を設定することが多い
  • 広告配信は別途:インフルエンサーの投稿を広告として配信する場合(パートナーシップ広告など)は、配信期間と予算に応じた対価を別途取り決める
  • 相場:決まった相場はなく、投稿者の規模・媒体・期間で交渉。無償での二次利用を「当然」としない

謝礼の支払いの実務は謝礼の支払い方の記事参照してください。

広告配信時の表記

投稿を広告として配信する場合、見た人に「広告である」ことと「誰の投稿か」が分かる必要があります。

  • Instagramのパートナーシップ広告は、タイアップ投稿ラベルの付いた投稿を、投稿者の許可のもと店舗が広告として配信する仕組み。表記はラベルと広告の表示で担保される
  • 自社の広告素材として写真を使う場合は、「@〇〇 の投稿より」などのクレジットと、広告であることの明示
  • PR表記(依頼した投稿である旨)は、二次利用先でも必要。タイアップ投稿の記事ステマ規制の記事

契約に入れる項目

継続的なPRや、広告配信を含む場合は、契約書か合意書を作ります。

  1. 対象の投稿(URL、枚数)
  2. 使用する媒体と用途
  3. 期間と、期間後の扱い(削除するか、既存の掲載は継続か)
  4. 加工の範囲
  5. クレジットの表記方法
  6. 対価と支払い方法
  7. 取り消しの条件と手続き
  8. 第三者(写っている同行者)の肖像権の処理は投稿者側で済ませているか
  9. 投稿者が投稿を削除した場合の扱い
  10. トラブル時の連絡先と対応

契約のチェックリスト項目とあわせて確認してください。

NG例

NG理由
許諾なしでリポスト・保存して使用著作権・肖像権の侵害。関係の破綻
「投稿したら自由に使える」と思い込む投稿の許諾と二次利用の許諾は
加工して別の内容に見せる投稿者の意図と異なる利用。信頼の毀損
期間を決めずに使い続ける投稿者が活動を変えたときにトラブル
クレジットなしで自社の写真のように使う投稿者の権利の無視
広告配信をPR表記なしで行うステマ規制の対象
同行者や他のお客さんが写った写真を許諾なしで使う第三者の肖像権

一般のお客さんの投稿(UGC)を紹介する場合のルールはリポストの記事参照してください。

実務の流れ

  1. 依頼時に二次利用の範囲を取り決める(DM・メールで文字に)
  2. 投稿後、使いたい写真・動画を特定し、取り決めの範囲内かを確認
  3. 範囲外なら追加で許諾を取る
  4. 使用時にクレジットを付け、投稿者に「〇〇に使わせていただきました」と一報
  5. 期間の管理(カレンダーに終了日を入れる)と、終了時の対応
  6. 許諾の記録(DM・メール・契約書)を保管

Arilienのサービス

私たち株式会社Arilien来店型インフルエンサーPRでは、依頼時に二次利用の範囲(自社SNS・ホームページ・店頭)を取り決め、店舗が安心して投稿を活用できる形にしています。広告配信を含む場合は別途ご相談ください。サービスの詳細

よくある質問

PR投稿は、店舗のアカウントで自由にリポストできますか?

できません。投稿の許諾と、店舗が使う許諾は別です。依頼時に「自社SNSでのリポストを含む」と取り決めておくか、投稿後に許諾を取ってください。

二次利用の謝礼は必要ですか?

決まった相場はありませんが、無償を当然としないでください。自社SNSとホームページはPRの謝礼に含め、店頭・チラシ・広告配信は追加、が一般的な考え方です。

期間はどのくらいにすればいいですか?

6か月〜1年が多いです。期間後も使いたい場合は、更新の連絡を取り決めておきます。

広告として配信するには何が必要ですか?

投稿者の許諾(対価を含む)、PR表記(ラベル・クレジット)、配信の期間と予算の取り決めです。Instagramのパートナーシップ広告の仕組みは公式ヘルプで確認してください。

まとめ

  • 投稿の許諾と二次利用の許諾は別。媒体・期間・加工・クレジット・対価を文字で取り決める
  • 依頼時に取り決めるのが最も確実。投稿後なら追加で許諾を
  • 広告配信はPR表記と別途の対価が前提
  • 継続や広告を含む場合は契約書に10項目
  • 許諾なしの使用・加工・期間なし・クレジットなし・第三者の写り込みはNG

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西
西村亜海ミセノホシ編集長/株式会社Arilien

株式会社Arilienで飲食店・サロン向けのインフルエンサーPRとSNS集客支援を担当。現場で見た「来店につながる口コミ・SNSの育て方」を、売り込みなしで記事にしています。 法規制やプラットフォームのルールは一次情報を確認して執筆しています。