インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーへの謝礼の支払い方|源泉徴収・請求書・インボイス・経費処理の基本(税理士確認前提)

インフルエンサーに謝礼を払うとき、店舗側が確認すべきことは「支払いの形」「源泉徴収の要否」「請求書・インボイス」「経費の勘定科目」の4つ。それぞれの考え方と実務の流れを、税理士確認を前提に整理しました。

西執筆:西村亜海公開 5分で読めます

インフルエンサーに来店してもらい、謝礼を払う。ここで「現金で渡していいのか」「源泉徴収はいるのか」「請求書はもらうべきか」「経費になるのか」と、店舗側が迷う場面が必ず出てきます。処理を間違えると、あとで追徴や修正の手間がかかります。

この記事では、支払いの形、源泉徴収の考え方、請求書とインボイス、経費処理の基本を、店舗の実務の流れに沿って整理しました。この記事は一般的な情報であり、税務の判断は個別の事情で変わります。実際の処理は顧問税理士か税務署に確認してください。依頼の流れはインフルエンサーマーケティングの完全ガイド参照してください。

結論:支払いの形を決め、源泉徴収の要否を税理士に確認し、請求書(またはそれに代わる記録)を残して、広告宣伝費として処理する

確認すること内容
支払いの現金・振込の謝礼、飲食・施術の無償提供、商品の提供、交通費
源泉徴収の要否個人への報酬は、内容によって源泉徴収の対象になる場合がある。税理士に確認
請求書・インボイス個人の場合は請求書か支払い記録。インボイス登録の有無で消費税の扱いが変わる
経費処理広告宣伝費が一般的。提供物は原価で計上

支払いの

内容店舗側の処理
金銭の謝礼振込か現金。1投稿あたり、来店1回あたり請求書か領収書(受領書)を残す。源泉徴収の要否を確認
飲食・施術の無償提供来店型PRの基本提供したメニューの原価を記録。売上は立たない
商品の提供ギフティング型商品の原価を記録
交通費実費の精算領収書か記録
特典の付与次回の割引、クーポン使用時に値引きとして処理

金銭を伴わない提供のみの場合でも、ステマ規制上はPR表記が必要です。ステマ規制の記事

源泉徴収の考え方

所得税法では、個人に対する特定の報酬(原稿料、講演料、デザイン料、放送出演料など)を支払う事業者に源泉徴収の義務があります。インフルエンサーへの投稿の対価が、これらのどれに該当するかは、依頼の内容(投稿の制作か、出演か、宣伝の役務か)によって解釈が分かれます。

  • 個人への支払い:源泉徴収の対象になる可能性がある。「投稿の制作料」「出演料」の性質が強い場合は特に確認
  • 法人(事務所・PR会社)への支払い:法人への報酬は原則として源泉徴収の対象外
  • 提供物のみ:金銭の支払いがない場合、源泉徴収の対象になる金銭がない
  • 実務:依頼前に「個人か法人か」「源泉徴収の要否」を税理士に確認し、必要なら源泉徴収した金額で支払い、納付する

判断を誤ると、店舗側が納付漏れの責任を負います。「分からないまま払う」より、「税理士に1回聞く」が確実です。

請求書とインボイス

  • 請求書:個人でも、内容(日付・相手の名前・内容・金額)が分かる請求書か、店舗側が作る支払い記録(受領書)を残す
  • インボイス制度:相手が適格請求書発行事業者(インボイス登録)でない場合、店舗側は支払いにかかる消費税を仕入税額控除できない(経過措置あり)。登録の有無を依頼時に確認し、費用の見積もりに織り込む
  • PR会社経由:会社からまとめて請求書(インボイス)が来るため、個人ごとの処理は不要になる
  • 保管:請求書・領収書・支払いの記録は法定の期間保管

経費処理

  • 勘定科目:金銭の謝礼、提供物の原価とも「広告宣伝費」が一般的。会社の方針で「販売促進費」とすることも
  • 提供物:飲食・施術の原価(材料費・人件費の按分)を、広告宣伝費として振り替えるか、原価に含めたままにするかは処理の方針による。税理士と決める
  • 証憑:依頼の記録(DM・メール)、投稿のURL、請求書・領収書、支払いの記録をセットで保管
  • 交際費との区別:来店型PRの飲食提供は、目的が宣伝であることを記録で示せるようにしておく(交際費と扱われると損金算入に制限がある場合がある)

実務の流れ

  1. 依頼時に「謝礼の形」「金額」「個人か法人か」「インボイス登録の有無」「源泉徴収の扱い」を文字で取り決める。契約のチェックリスト
  2. 投稿後、投稿のURLとPR表記を確認
  3. 請求書を受け取る(または支払い記録を作る)
  4. 源泉徴収が必要なら、差し引いた金額を支払い、翌月10日までに納付(納期の特例がある場合はそれに従う)
  5. 支払調書の作成が必要な場合は年明けに対応
  6. 証憑をまとめて保管

PR会社に頼む場合

私たち株式会社Arilien来店型インフルエンサーPR(29.8万円(税抜)/回)のように、PR会社が人選・謝礼の支払い・請求をまとめて行う形では、店舗側は会社からの請求書(インボイス)1枚を処理するだけで済み、個人ごとの源泉徴収や請求書のやり取りは不要になります。自分で依頼する場合との手間の違いは、費用の比較のときに含めてください。サービスの詳細費用相場の記事

よくある質問

飲食の無償提供だけなら、税務上は何もしなくていいですか?

金銭の支払いがないため源泉徴収の対象になる金銭はありませんが、提供物の原価の処理(広告宣伝費への振り替えなど)と、証憑の保管は必要です。処理の方針は税理士と決めてください。

個人のインフルエンサーに現金で謝礼を渡してもいいですか?

渡すこと自体は可能ですが、受領書か請求書を必ず残し、源泉徴収の要否を事前に確認してください。振込のほうが記録が残り、後の処理が楽です。

インボイス登録していない人に頼むと損しますか?

支払いにかかる消費税の仕入税額控除に制限があります(経過措置の期間は一部控除可)。登録の有無を確認し、見積もりに織り込んでください。

源泉徴収を忘れていました。

税理士か税務署に相談し、速やかに納付してください。放置すると不納付加算税や延滞税がかかる場合があります。

まとめ

  • 支払いの形(謝礼・提供物・交通費)を決め、記録を残す
  • 個人への報酬は源泉徴収の対象になる場合がある。依頼前に税理士に確認
  • 請求書か支払い記録を残し、インボイス登録の有無を確認
  • 経費は広告宣伝費が一般的。依頼の記録・投稿URL・請求書をセットで保管
  • PR会社経由なら会社からの請求書1枚で処理が済む

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西
西村亜海ミセノホシ編集長/株式会社Arilien

株式会社Arilienで飲食店・サロン向けのインフルエンサーPRとSNS集客支援を担当。現場で見た「来店につながる口コミ・SNSの育て方」を、売り込みなしで記事にしています。 法規制やプラットフォームのルールは一次情報を確認して執筆しています。