インフルエンサーPR

ビフォーアフター投稿の注意点|美容サロンが知っておくべき広告ルールの基礎

エステ・ネイル・まつげ・美容室などの美容サロンがSNSでビフォーアフターや効果を発信するときに気をつけたい、景品表示法・薬機法・医療広告ガイドラインの基礎を、やってはいけない表現と言い換え例つきで解説します。

ミセノホシ編集部公開 4分で読めます

美容サロンのSNSで、いちばん反応が取れるのはビフォーアフターです。同時に、いちばんトラブルになりやすいのもビフォーアフターです。

「小顔になった」「シミが薄くなった」と書いた投稿が、あとから問題になる。そうならないために、美容サロンが押さえておくべき広告ルールの基礎を、やってはいけない表現と言い換え例つきでまとめます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の表現の可否は、消費者庁・厚生労働省の公式資料や専門家にご確認ください。

結論:「効果の断言」を避け、「印象」と「体験」で語る

美容サロンの投稿で問題になるのは、ほとんどが効果を断言する表現です。「痩せる」「シミが消える」「若返る」のように、身体や肌の変化を約束するような言い方は、複数の法律に触れる可能性があります。

代わりに、「すっきりした印象に」「明る印象に」「リラックスできる時間」のように、見た目の印象や、体験そのもの語る。これがいちばん安全で、実は読んでいる人にも伝わりやすい書き方です。

関係する3つのルール

景品表示法(優良誤認)

実際より著しく良いと誤解させる表示を禁止する法律です。「1回で−5cm」「99%の人が満足」のように、根拠のない数字や効果を示すと、優良誤認にあたる可能性があります。数字を出すなら、根拠となる資料が必要です。

薬機法(医薬品医療機器等法)

化粧品や機器について、認められた範囲を超える効果をうたうことを禁止しています。エステで使う化粧品について「シミが消える」「シワがなくなる」と表現するのは、化粧品に認められた効能の範囲を超えるため問題になります。化粧品で言えるのは「肌にうるおいを与える」「肌を整える」といった範囲です。

医療広告ガイドライン(美容医療の場合)

美容クリニックなど医療機関の広告には、さらに厳しいルールがあります。ビフォーアフター写真は、治療内容・費用・リスクなどの詳しい説明がなければ掲載できず、患者の体験談を広告に使うことは禁止されています。エステやネイルは医療機関ではないためこのガイドラインの直接の対象ではありませんが、「医療のように見せる」表現は避けるべきです。

やってはいけない表現と言い換え例

避けたい表現言い換え例
小顔になるすっきりした印象に
シミが消える・薄くなる明る印象の肌に
痩せる・−5cm引き締まった感じ・リフレッシュ
若返る・アンチエイジングハリのある印象に
治る・改善する整える・ケアする
必ず・絶対・誰でも(使わない)
医師も推奨(根拠がなければ使わない)

ビフォーアフター写真を載せるときの条件

ビフォーアフターそのものが禁止されているわけではありません。載せるなら、次の条件を守ってください。

  1. 撮影条件を揃える:照明、角度、距離、表情、メイクの有無。条件が違えば「印象操作」と受け取られます
  2. 加工しない明るさの補正程度にどめ、輪郭や肌の加工はしない
  3. 個人の感想であることを明記する「効果には個人差があります」「個人の感想です」
  4. 何をしたかを書く:メニュー名、施術時間、回数。「1回の施術後」なのか「5回コース後」なのかで意味が変わります
  5. 本人の同意を取るお客さんの写真は、投稿の目的と範囲を説明して同意を得る。記録を残す

インフルエンサーに依頼するときの共有事項

インフルエンサーPRでは、投稿するのはインフルエンサーですが、ステマ規制考え方と同じく、依頼したサロン側が表示内容に責任を持つ場面があります。依頼時に次を共有してください。

  • PR表記を入れること
  • 効果を断言する表現を使わないこと(上の言い換え表を渡すと伝わりやすい)
  • ビフォーアフターを載せるなら条件を揃え、「個人の感想」を明記すること
  • サロン側が投稿前に表現を確認する場合は、その旨を事前に合意しておくこと

依頼の全体像は美容サロンのインフルエンサーPRまとめています。

口コミへの返信でも同じ

お客さんが口コミで「シミが消えました!」と書いてくれたとき、返信で「そうなんです、当店の施術でシミが消えます」と書くと、サロン側の表示になってしまいます。返信は「気に入っていただけて嬉しいです」にどめてください。口コミ返信の基本は例文集参考に。

まとめ

  • 問題になるのは「効果の断言」。「印象」と「体験」で語る
  • 景品表示法(優良誤認)、薬機法(化粧品の効能範囲)、医療広告ガイドライン(医療機関)の3つを意識
  • ビフォーアフターは条件を揃え、加工せず、個人の感想を明記し、同意を取る
  • インフルエンサーにも同じルールを共有する
  • 口コミ返信で効果を追認しない

参考

  • 消費者庁:景品表示法(優良誤認表示)に関する公式解説
  • 厚生労働省:医薬品等適正広告基準、医療広告ガイドライン
ミセノホシ編集部

株式会社Arilienの運営チーム。インフルエンサーと店舗をつなぐ現場で見えた「来店につながる口コミ・SNSの育て方」を、 売り込みなしで記事にしています。法規制やプラットフォームのルールは一次情報を確認して執筆しています。